2025年7月24日

工事概要
工事名称:(仮称)新宿区高田馬場1丁目計画 新築工事所 在 地:東京都新宿区高田馬場1丁目150-2他
発 注 者:特定目的会社ハイ・マウンテン
設計監理:㈱コイケデザインワークス
工 期:2024年2月26日~2025年4月24日
建物用途:事務所
敷地面積:443.51m2
建築面積:304.96m2
延床面積:2,576.9m2
建物高さ:39.1m
階 数:地上11階
構 造:鉄骨造
建物概要:事務所、飲食店

EVホール

1階EVホール入り口
はじめに
建設地は、JR高田馬場駅に向かう早稲田通り沿いに位置した飲食店と映画館、マンション、テナントビルに囲まれた細長い敷地です。このプロジェクトは、駐車場の既存擁壁を解体後、約600m3の残土を搬出し、近隣擁壁の倒壊対策を行いながら、地上11階建ての事務所と飲食店舗を建設する工事です。
絶えず人通りが多い中、2023年12月より解体に着手し、2か月後の2024年2月26日より新築工事に着手しました。
2025年4月24日に無事、竣工を迎え、解体から延べ17か月間にわたる工事となりました。
特徴的な部分や建物の紹介
早稲田通りに面した外装は、アルビームカーテンウォールを採用し、独自のLED照明システムを組み込み、夜の高田馬場に美しい光のラインを演出しました。外部鉄骨階段を防錆性能の優れたリン酸処理亜鉛メッキ仕上げとし、結晶質被膜を析出・形成させることにより、低光沢で落ち着きのある色調に変貌させました。


鉄骨階段リン酸処理
施工や安全管理で工夫した点
東南西側は建物に囲まれて敷地一杯に計画された建物であったため、歩行者の多い歩道から全ての工事の搬出入を進めなければなりませんでした。そのため、常に工程に合わせた道路使用形態を作成し、戸塚警察署と打合せを行い、歩行者を第一優先に考えた警備員の人員配置を計画しました。解体工事の際、既存擁壁を解体し残土を搬出することによって、南側近隣マンションの擁壁が倒壊する可能性があったことから、新築工事の山留H鋼と仮設の反力用H鋼を打設し、斜梁と腹起しを設置しながら、新築工事の基礎工事と並行して解体工事を行うなど常に、安全を第一に進めました。

鉄骨建方状況

東南近隣擁壁倒壊防止対策
一番難しかった、苦労した工程
敷地が中央で商業地域と第一種中高層住宅専用地区にまたがっているため、用途地域の高さの制限を受け、全面道路側が11階建て、奥側が4階建ての建物構造となっています。キュービクルの設置場所が奥側4階建ての屋上であることから、手前の11階建てを超えて設置するには、早稲田通りから150tクラスの揚重機が必要となり、先行取込を計画しました。キュービクルの納期上、2工区11階までの鉄骨建方完了後の搬入となるため、最上階から順次小梁を抜いて5階のスラブ上に降下させて仮置きし、重量鳶により横移動、上下移動を行いながら4t近いキュービクルを無事設置することができました。

キュービクル移動状況

キュービクル降下状況
DXへの取り組み
ネットワークカメラを設置し、施工状況や現場の様子をリアルタイムで把握できる体制が整えられ、東京支店建築部および安全品質環境部の大型モニターにおいて、常時現場映像を閲覧可能としました。これらの取り組みは、防犯対策としても有効であり、不審者の侵入抑制にも繋がりました。
また、東京支店建築部からの現場確認には、遠隔パトロールシステム「SynQRemote」が導入され、通信環境の厳しい環境下でも安定して稼働することが実証され、現場の映像や音声をリアルタイムで把握することができました。
働き方改革への取り組み
本プロジェクトでは、原則として4週8休を目指しましたが、幹線道路沿いに位置した現場のため、工種(鉄骨建方、材料搬入、コンクリート打設等)によっては道路使用許可が土曜日に限定されるという制約があり、4週8休には至りませんでした。しかし、必ず休みを取得する運用を徹底し、社員が心身をリフレッシュできる時間をしっかり確保しました。関係者への感謝の言葉
早稲田通りを行き交う歩行者のほとんどの方が、一度は見上げて振り返ってくれる建物が、4月24日に無事竣工を迎えることができました。 お引渡しの際には、発注者様より「全フロアのテナントがすでに決定している」との有難いお言葉を頂戴し、プロジェクトに携わった全員で達成感と喜びを分かち合うことができました。
解体工事より着手し約17ヵ月の間、無事故無災害で完成することができたのは、当社の現場職員をはじめ、発注者様、設計監理者様、協力業者の皆様、そして東京支店の方々等、本プロジェクトに関わってくださった全ての皆様方のご尽力の賜物です。この場をお借りして心より深く感謝申し上げます。