2023年3月1日
1.はじめに
国道276号千歳市美笛峠の一部の区間において岩盤崩落が発生し、不安定岩塊が上部に残存しているため、令和4年4月17日から通行止めが実施されました。規制区間は、1日3,000台(上下計)が通行する主要な路線であり、迂回による道路距離がL=77.4㎞と長距離となり、道路ユーザーから一日も早い交通開放が期待されていました。
当社は、二次災害の防止(安全確保)に作業期間中は計測監視を行い、早期交通解放に向けて不安定岩塊の除去を実施しました。
工事箇所と通行止・迂回図
2.不安定岩塊と応急対策工
不安定岩塊は、①左側(峠方向)・②中心部・③右側(市内方向)の大きな3つのブロックであり、岩塊上部に亀裂も確認され、クライミングマシン等の重機、人力と薬剤による小割破砕で除去を実施しました。
岩盤崩落状況
薬剤による除去状況
人力・機械による切土状況
無人無線操作式重機による夜間作業
落石防護柵設置状況
3.計測監視
不安定岩塊の除去期間中は、予期せぬ岩塊の崩落や崩壊等、二次災害の防止(安全確保)を目的とした計測監視を実施しました。
作業箇所(不安定岩塊除去箇所)は、安易に立ち入ることができず、また計器を設置してもすぐに岩塊とともに除去されてしまうこと、電源確保が困難なことからソーラーとバッテリーで遠隔監視が可能な計測・監視機器を活用するとともに、常時計測手法を併用(組合せ)し、多面的な計測監視を実施しました。
【遠隔監視状況】
現場事務所のモニター,タブレット端末による遠隔監視状況
【計測監視状況】
監視カメラによる差分解析(AI技術)画像を用いた計測監視状況
ノンプリズムTSによる計測状況
GPS自動計測監視状況
伸縮計・振動計による計測監視状況
4.おわりに
早期交通解放に向けて作業開始前や作業中は、各種計測データを確認し継続的な変位の判断に活用して不安定岩塊の除去を行い、二次災害の防止(安全確保)に務めました。
予期せぬ崩落や崩壊、変位等は発生することはなく、無事に予定箇所の除去作業を完了することができ、7月14日に通行止め解除(片側交互通行)、8月5日に対面通行を開始することができました。
予期せぬ崩落や崩壊、変位等は発生することはなく、無事に予定箇所の除去作業を完了することができ、7月14日に通行止め解除(片側交互通行)、8月5日に対面通行を開始することができました。