2020年3月27日
北海道の空の玄関口
新千歳空港は北海道の中心地である札幌市の南東約40kmに位置する基幹空港で、道内最大の空港です。利用者数は国内で5番目に多く、鉄道や高速道路も整備されており北海道の空の玄関口と言われています。
国際線需要の急速な増加やラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピックなどで更なる国際線利用者の増加が見込まれるため拡張工事が行われました。
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工事概要
工事名:新千歳空港国際線旅客ターミナルビル施設再整備工事(B工区)
発注者:新千歳空港ターミナルビルディング株式会社
工期:平成29年11月9日~令和元年12月31日
設計:JAC・梓・山下・えんれいしゃ設計業務共同企業体
施工者:岩田地崎・JALファシリティーズ・阿部特定建設工事共同企業体
建物用途:空港施設
構造:鉄骨造 地上4階
全体敷地面積:182,360.44㎡
建築面積:5,185.42㎡
延床面積:7,457.20㎡
工事場所:千歳市美々新千歳空港内
発注者:新千歳空港ターミナルビルディング株式会社
工期:平成29年11月9日~令和元年12月31日
設計:JAC・梓・山下・えんれいしゃ設計業務共同企業体
施工者:岩田地崎・JALファシリティーズ・阿部特定建設工事共同企業体
建物用途:空港施設
構造:鉄骨造 地上4階
全体敷地面積:182,360.44㎡
建築面積:5,185.42㎡
延床面積:7,457.20㎡
工事場所:千歳市美々新千歳空港内
プロジェクトについて
今回のプロジェクトは、旅客取扱施設増築の他にエプロンの拡張や誘導路の新設と構内道路の新設など様々な発注が入り交じった中での工事でした。
その中の旅客取扱施設増築はA工区:ホテル棟と出入国エリア、B工区:出発ロビー、C工区:税関エリアと出入国エリア、既存改修工事の3工区に分かれています。
当社企業体はB工区エリアを担当しました。B工区内には本設階段が無く、資材の搬出入や作業員動線の確保等非常に制限された中での施工となりました。
![]() 雪の結晶をモチーフとした人造大理石の床 |
![]() チェックインカウンター |
![]() 1F EVホール |
![]() 2F セミナールーム |
![]() 車寄せロビー前 |
![]() 車寄せロビー |
工事管理について
工事中は他工区や他事業との調整が欠かせませんでした。土工事から基礎躯体、鉄骨建方の進め方や搬入物・動線等の調整を毎日、各工区代表者が集まり綿密な打合わせを行いながら工事を進めていきました。
最盛期には搬出入車両数百台、関係者数千人の調整がありました。また各工区毎、腕章で入場制限をし、他工区へ入場しない様に徹底的な管理が行われました。
既存道路上空に増築部が位置していたため、墜落・落下及び接触事故等を防ぐために鋼板(ADM)で防護構台を設置しました。既存道路上空での鉄骨建方は車両通行の少ない夜間に車線規制を行いながら施工しました。増築工事中に他事業の構内道路工事が行われた期間もありました。軒天上部の仕上げ工事時には上下に作業がラップする為、作業床が隙間なく設置できる次世代吊り足場のクイックデッキを採用し、落下物が無いように心掛け、吊足場の解体は道路工事の終了後に行いました。
![]() 防護構台 |
![]() クイックデッキ |
![]() 鉄骨建方状況(A工区・B工区・C工区が同時進行で工事) |
大地震による設計変更
2018年9月 鉄骨建方を夜間で作業していた、その時。胆振東部地震が起きました。震源に近かった新千歳空港は震度6弱。経験したことの無い衝撃の揺れ、携帯電話の警告音。一瞬何が起こったのか解らなかった事を今でも覚えています。
夜間工事班に現場確認の連絡をし、慌てて宿舎から現場に向かう途中にブラックアウト。現場に着くと、作業中ではあったものの建屋や防護構台の倒壊はありませんでした。
新千歳空港も地震の影響を受け、発注者様より地震対策の提案を要請されました。当工区が提案した物の一つが、チェックインロビーの天井変更案です。
原設計は、天然不燃木材をルーバーに加工したものを天井に吊っていました。
しかし、安全面などを考慮し、天井に膜を採用していた釧路空港を参考に数社に相談の上、膜天井への変更を提案する事になりました。すでにBIMで完成CGが出来上がっていたため、ICT推進部と打合せを重ね膜天井の完成イメージを数パターン作成し提案しました。
その結果、関係者の皆様から了承を得て採用の運びとなり、発注者様に安心され利用者にも安全な大空間のロビーを施工できました。
![]() 3Fチェックインロビー天井【変更後】 |
![]() 3Fチェックインロビー天井【変更前】
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おわりに
発注者様をはじめ、会社関係者、協力業者のご協力、現地スタッフの責任感のもと、工事を進め無事竣工を迎えることができました。改めて、関係者の方々にお礼を申し上げます。