2026年5月15日

工事概要
工事概要:日野橋切廻し道路工事 ほか隋契工事1件工事場所:東京都日野市大字日野地内から東京都立川市錦町五丁目地内まで
一般都道八王子国立線(第256号)甲州街道
工 期:令和5年11月13日~令和8年1月30日
発 注 者:東京都
工事内容
・道路工事区間 L=564.0m(橋梁区間333.7m+土工区間 230.3m)・河川工事区間 左岸側L=109.8m 右岸側L=17.8m
【道路改良工事】
・街渠工 1式
・舗装工(55型) 1,657m2
・安全施設工 1式
・その他 1式
【河川構造物工事】
・KA1橋台、KA2橋台
・照明工 1式
・伸縮装置設置 1式
・鋼管矢板設置 78本
【築堤護岸工事】
・連節ブロック張 440m2
・カゴマット 408m2
・土工 1式
【局舎】
・水位観測所移設工 1式
今回の工事で特徴的な部分や建物の紹介
本工事は、多摩川日野橋架替え事業(R2~R19)の一環として、架替えに伴い設置された仮橋へ交通を迂回させるための仮設道路を設置し、切廻しを行うものです。これに合わせて、築堤工事や護岸の築造、仮橋橋脚の防護工、多摩川水位観測所の移設といった関連工事も実施します。また、河川内での施工にあたっては、絶滅危惧種を含む生態系への影響を最小限に抑えるため、環境保全に十分配慮しながら作業を進める必要があります。施工時期や工法の選定、濁りの抑制等、環境に対する細やかな対策を講じながら進める点が、本工事の大きな特徴となっています。
施工や安全管理で工夫したこと
甲州街道は交通量が非常に多く、さらに多摩川両岸にはサイクリングロードが整備されているため、自転車利用者や歩行者の往来も多い状況でした。そのため、作業の打合せの際には、A1判のドローン撮影写真を用いて工事区域全体を俯瞰できるようにし、工事箇所や交通警備員の配置、工事車両の通行経路等を明確に示しながら、関係者全員で具体的な動線や注意点を共有しました。その結果、現場の周辺環境を視覚的に把握でき、危険箇所の認識や作業手順の確認もよりスムーズに行うことができました。こうした事前確認を徹底することで、職員や職長への周知を確実に行い、周辺交通への影響を最小限に抑えながら、安全な作業環境の確保に努めました。
ここが一番難しかった、苦労したという工程
本工事は設計変更が多く、河川占用許可の条件も厳しかったため、工事着手後の約10か月間は工程的に非常に厳しい状況が続きました。変更予定設計書はR5.12.21に受領しましたが、当初設計図の9割近くが変更となり、その対応に大きな労力を要しました。また、河川内工事の占用許可はR6.3.6に受領し、実施期間はR6.5.31までと限られていました。水位観測所の移設はR6.5.20頃までに完了させる必要がありましたが、盛土開始が5月初めとなり、その後は観測所建屋の工場検査(岡山)、建屋の新設、カメラ・水位計2種類・水量計・発電機・光ケーブルなどの設備移設(機器ごとに停止期間の制約あり)が続きました。
さらに、建築確認や消防署確認、土木・建築・電気の中間検査を3回受検する必要があり、調整事項は多岐にわたりました。普段扱う機会の少ない建築・電気工事も含まれていたため準備に苦労しましたが、土日やGW期間中も施工を継続したことで、最終的に移設期限に間に合わせることができました。

DXへの取り組み
道路切廻し後の条件を踏まえ、一般ドライバー(普通車・大型車)の走行シミュレーションを4D映像(3D+時間)で作成し、信号配置や標識、道路線形に問題がないかを詳細に検証しました。実際の交通流を想定した動きが再現できたことで、設計段階では気付きにくい視認性の課題や車両挙動の変化についても確認することができました。この映像は警視庁との協議資料としても活用され、複雑な切廻し条件を視覚的に把握できる点が非常に分かりやすいと高い評価を得ました。
サンプル(左岸:立川市側→日野市側 普通車・H=1.2m目線)

サンプル(左岸:立川市側→日野市側 普通車・H=1.2m目線)

また、その他の取り組みとして築堤盛土や道路盛土の一部にICT施工を導入しました。施工条件や工程の都合上、適用範囲は限定的でしたが、ICTによる施工データの活用により、作業効率や品質の向上に寄与しました。従来の施工では把握が難しかった点についても、データにより確認しやすくなり、作業の安定化に役立つなど、今後の施工に生かせる有意義な取り組みとなりました。
ドローンによる起工測量、設計値・数量の解析


マシンコントロール(MC)によるICT重機施工
キャリブレーション


ICTブルドーザー(敷均し・転圧)


ICTバックホウ(法面整形)


働き方改革への取り組み
本工事では休日施工が多かったため、月ごとに休暇予定表を作成し、代休を含めた計画的な休日取得を徹底しました。繁忙期には業務量が偏らないよう担当を調整し、無理なく休める体制を整えました。また、進捗に応じて年次有給休暇も取得しやすいよう調整し、個々の事情に合わせた柔軟な勤務計画を実施しました。これらの取り組みにより、長期工事でも職員の負担軽減と働きやすい環境づくりが進み、結果として現場全体のパフォーマンス向上につながりました。
関係者への感謝の言葉、若手社員へのメッセージ
日野橋架替事業の第4期(道路切廻し)を担当しましたが、設計変更や関係諸官庁との協議事項が相次ぎ、日々その対応に追われる状況が続きました。それでも関係者のご尽力により、無事に竣工までたどり着くことができました。旧橋から仮橋への道路切廻し当日には、多くの近隣住民の方々が見学に訪れ、切替完了後には労いの言葉を頂戴するなど、地域の皆様の温かいお声や見守りに大きな力をいただきました。本工事に携わったすべての関係者のご協力の賜物であり、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
また、当作業所には20代の若手社員が多数在籍しており、工種も土木・建築・電気と多岐にわたる内容でした。普段触れる機会の少ない分野にも携わることができ、彼らにとって大きな経験となったのではないかと思います。この経験を糧に、今後さらに成長し活躍してくれることを期待しています。

