地域の安全を支える新たな防災施設の構築~広島虹山調整池新設工事~

2026年8月25日



工事概要

工事概要:虹山調整池新設工事
工事場所:広島県広島市安佐北区亀山南五丁目ほか1か所
工   期:2024年3月18日~2026年7月26日
発  注  者:広島市水道局

工事内容

【土木工事】
1.調整池造成工事

(1)敷地造成工
掘削・床堀 1,980㎥、地盤改良(置換砕石) 3,200
(2)ブロック積擁壁工
ブロック積工 506m
(3)現場打擁壁工
重力式擁壁 30㎥
(4)排水工
ベンチフリーム  94m
(5)運搬工
土砂運搬・処分 1,700㎥


2.調整池築造工事
(1)作業土工
床堀 1,400㎥、地盤改良(置換砕石) 1,100㎥

(2)下部工
コンクリート工 314㎥、鉄筋工 22t
(3)上部工
SUS製 有効容量 525㎥ 2

(4)運搬工
土砂運搬・処分 1,200㎥

3.調整池場内・外配管工事
(1)管布設工
GXPEDCP 150~200mm 264m 


4.調整池場内整備工事
(1)作業土工 
床掘  350㎥
(2)排水工
L形水路 61m、自由勾配側溝 400×500~1000 149m
(3)防護柵工
門扉 H1.8m.W4.0m忍返付 1基、立入防止柵 H1.8m 忍返付 212m
(4)舗装工
コンクリート舗装  777㎡、張コンクリート 273㎡

(5)付属施設工
パイロット配管・電線管布設 120m、張芝 350㎡

【建築工事】
1.電気室新築工事 鉄筋コンクリート造(壁式)B1,1F  1棟

はじめに

 本工事は、広島市安佐北区に位置する虹山調整池が老朽化し、維持管理においても車の進入が困難であること、さらに土砂災害警戒区域内の急傾斜地に立地していることから、虹山団地南端部の丘陵地に新たな調整池を整備するものです。
 工事用進入路については、団地内道路を使用せざるを得ない状況にあり、道路幅員が狭く大型車両の通行が困難でした。このため、工事車両は4t車以下を使用することとしました。また、離合ができない区間が多いため、交通誘導員との連絡・合図を徹底し、地域住民の車両通行に十分配慮する必要がありました。
 さらに、現場北側には民家が近接していることから、施工時の騒音等、生活環境への影響を最小限に抑えるための対策が求められました。

 敷地造成工
 

 調整池下部工(基礎掘削)

 調整池下部工(置換砕石)

 調整池下部工(基礎コンクリート)

今回の工事で特徴的な部分や建物の紹介

 工事用進入路は団地内の生活道路であり、幅員が狭く大型車両の進入が不可能でした。このため、工事車両は4t車以下を使用しました。掘削機械については、0.4m³以下のバックホウ(ゴムキャタ仕様)を採用し、一般道路から交通誘導員を配置したうえで、自走により現場へ搬入しました。
 また、現場から約4km離れた場所に仮置場を設け、掘削残土約2,900m³を4t車で小運搬し、仮置場で10t車に積み替えて処分場へ搬出しました。置換砕石等約3,200m³については、10t車で仮置場へ搬入し、4t車で現場へ小運搬しました。
 さらに、ステンレス製タンク(調整池)は大型車での搬入ができないため、1m角のパネルを組み合わせ、すべて現場溶接により組み立てました。

 調整池上部工(受台組立)

 調整池上部工(底板組立)
       
 調整池上部工(組立用外部足場)

施工や安全管理で工夫したこと

 ステンレス製タンクの施工では、夏日の厳しい環境下で溶接作業が続きましたが、全作業員にSmartfitを着用させるとともに、職員および職長によるチェックシートを用いた巡視・確認を徹底しました。その結果、熱中症者を出すことなく施工を完了しました。
 また、施工順序を工夫し、場内に埋戻土および砕石等の置場を確保したうえで、掘削残土運搬車両の帰り便で砕石を運搬するなど、工事車両の団地内道路通過量を約3割削減しました。
 さらに、近郊の亀山幼稚園の送迎路の一部が工事用進入路と重なることから、工事車両の運行時間を9時から16時までに制限し、安全確保に努めました。
      
 調整池上部工(側板組立)

 調整池上部工(天井板組立)

ここが一番難しかった、苦労したという工程

 4tアジテータ車の確保に苦労し、1日当たりの打設量は60が限度でした。また 1か月前までの予約が必要で、雨天時で中止となった場合は1~2週間先に延長となるため、工程調整に苦労しました。
 さらに、工事用進入路では同時期にガス管布設替え工事が発注されており、通行不可能な時間帯があったため、残土運搬日や資材運搬時間の調整に日々苦労しました。

DXへの取り組み(ICTやBIMの活用等)

 本工事では、現場規模や施工内容の特性から大規模なICT施工やBIM/CIMの全面的な導入には至りませんでしたが、施工管理の効率化と安全性向上を目的に、可能な範囲でICT活用を行いました。
  現場にはウェブカメラを設置し、遠隔で施工状況を確認できる体制を整えることで、現場への移動回数を削減し、迅速な意思決定につなげました。また、クラウド型写真管理システムを活用することで、出来形・品質管理資料の整理および共有が容易となり、関係者間の情報伝達の精度向上に寄与しました。
 今後は、3Dモデルを用いた施工計画の検討等を進め、段階的にICT活用の範囲を拡大し、より効率的で安全な現場運営を目指していく予定です。

働き方改革への取り組み

 現場範囲が狭く、ウェブカメラで施工状況を確認できたことに加え、調整池上部工(SUS調整池)等、専門工種の施工管理項目については事前に十分な打合せを行い、作業手順・品質基準を明確化したことで、現場での確認作業を効率化できました。
 その結果、通常勤務時間内に内業を進めることが可能となり、月平均10時間以内の残業で現場管理を行うことができました。
 また、協力業者の理解と協力のもと、土日祝日は完全に休工とし、完全週休二日制を実現できました。これらの取り組みにより、現場全体として働きやすい環境づくりを推進し、品質確保と生産性向上の両立を図ることができました。

 

関係者への感謝の言葉、若手社員へのメッセージ

 本工事は施工規模に対して工期が約2年3か月と長期にわたりましたが、無事故・無災害で完成できたのは、発注者様をはじめ、地域住民の皆様、そして工事関係者の皆様のご支援・ご協力のおかげです。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
 また、昨今は担い手不足が叫ばれる中、当現場では3年生・5年生の若手職員を含む20代のメンバーが日々熱心に取り組んでくれました。大変なことも多かったと思いますが、広島市民のインフラ整備に欠かせない事業に携わり、無事に完成させたことは大きな誇りとなるはずです。今回の経験を自信に変え、今後の現場でもさらに活躍してくれることを期待しています。
              
 調整池上部工(組立完了)

 建築工事(電気室)

  場内整備工(コンクリート舗装・張芝)

 上空からの完成写真